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2004年04月 第4冊
池宮彰一郎 「その日の吉良上野介」

池宮彰一郎  「その日の吉良上野介」  新潮文庫

面白そうなタイトルじゃないですか!
池宮氏の本は初めてだったんだけど、題名に引かれて読みました。
忠臣蔵ものは山ほどあれど、本書も新しい角度から
光を当てた興味深い出来となっている。

お恥ずかしい話ですが、私、池宮氏の著作は本書が始めて。
今頃どうして?と云われても返す刀もありません。
読んでみて思ったことは、早々に他の著作も読みたいっ、
内蔵助や安兵衛は各書で語られているが、千馬三郎兵衛(千里の馬)や
木幡信兵衛(下郎奔る)を主人公に語った読み物は珍しいのではないだろうか?

表題作の「その日の吉良上野介」は当然面白いが、
上野介も彼なりの言分があるわけで、
歴史を公平に俯瞰できる意味でも本書はお薦めです。

解説によれば、「四十七人の刺客」「四十七人目の浪士」に続く
三部作目が本書なので、どうせなら「四十七人の刺客」から読書したら良かった。

ただし全て独立した作品のようなので、これ単独でも十分堪能できます。






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