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2004年04月 第5冊
平岩弓枝「御宿かわせみ」

平岩弓枝  「御宿かわせみ」  文春文庫

読切連作8篇、宿の女将るいとその恋人神林東吾の身辺で起こる出来事。

相当有名ですが、意気込んで読んじゃダメ。
第一篇「初春の客」が期待はずれでも、そのままだらだら読みつづけること。
最後まで読めば、きっと第2巻が読みたくなる。
そんな大長編の始まりに相応しい第1巻、てとこでしょうか。

今から30年前に書かれた作品ですが、少しも色褪せてないのが時代小説の怖いところ。
これが純文学だったら、新幹線とか万博の話がリアルタイムで出て来るんだから笑っちまう。
それはそれでノスタルジーなんですけどね。

話の骨格は大体パターンがあって、一見絡み合わない二つのエピソードが併記される。
その二つの出来事に、るいと東吾が関わりを持ち、いつしか二つの脈絡の無い事件が絡み合っていく。
歴史モノに多い因果応報といいましょうか。
それが分かっていても、面白い。それがこの連作の人気の秘訣でしょう。

我が家には未読ツンドクの本がゴマンとあるんですが、第2巻は早々に読みたいな。
そんな感想が正直なキモチです。






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