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2005年12月 第146冊
大野由美子編『江戸の悲恋』

大野由美子編  『江戸の悲恋』  徳間文庫

池波正太郎  「不忍池暮色」
北原亞以子  「橋を渡って」
佐藤雅美   「耐える女」
澤田ふじ子  「水の蛍」
南條範夫   「ただ一度、一度だけ」
泡坂妻夫   「新道の女」
宇江佐真理  「因果堀」
南原幹雄   「雨の道行坂」
白石一郎   「出会茶屋」
永井路子   「母子かづら」

本書にて幾人かの初読みがあった。
佐藤雅美、泡坂妻夫、宇江佐真理、南原幹雄がそうで、
南原幹雄が先入観以上の人。

南條範夫が大好きな私は、いつも南條範夫の横に並んでいる
南原幹雄が気になっていた。
しかし、御三家シリーズや付き馬シリーズなどで軽く見ていたが、
どうしてどうして、なかなか面白い作品を書く人だ。

本書で白眉なのは、白石一郎と永井路子。
我が南條範夫も佳いのではあるが、白石の「出会茶屋」は
展開がどう転ぶか見えずハラハラ。

永井も母の辿った道を、それ以上の過酷さで娘も辿るという結末に、
むぅうん。

こういうアンソロジィは、面白い作家探し、自分に合いそうな作家探しには最適。
そう云う意味では、役立った一冊。






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