2010年08月 第394冊
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平岩弓枝 「御宿かわせみ」10 文春文庫
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同書第9巻の感想をアップしたのが、2006年5月。
本書第10巻はその後しばらくして読んだんですが、
面倒臭くなって感想を書かないうちに4年という歳月が流れていました。
いやぁ〜、時の流れの経つのは速いことよ・・・。
「御宿かわせみ」シリーズは江戸期が34巻まで、
現在は明治期として3巻まで続いている超大河ドラマ。
折角10巻まで読んだんだからと、突然奮起して、
4年前に読み終わっていた本書第10巻を再読しました。
私は頭が悪いくせに一度読んだ本には関心がなくなってしまうので、
こうやって読み直すと言うのは珍しいんです。
さて、4年ぶりに読み直してみて・・・愕然としました。
ほとんど憶えていないんです。
たった4年で、こうまで忘れてしまうものか・・・。
東吾の親友でもあり八丁堀同心畝源三郎が、唐突な感もするが、
どんでん返しありの祝言を迎える重要な巻。
こういった一大長編モノは、いつまで経っても登場人物たちの年齢が
変わらないものと、少しづつ年齢や状況が変わるものがあるんですが、
源さんの結婚でいよいよ時間が動き出す重要な巻です。
これ以降、彼らに子供が出来て、その子が成長してという流れに
なるようですが、そういった成長記録を読者が体験することで
このシリーズの人気が不動になっていったのだと思う。
第8巻辺りから面白くなってきたんですが、第10巻はミステリとしても
なかなかの出来栄えでして、書名「閻魔まいり」も大体の結末は
予想できるんだけど、本当に犯人がそうなのか、じらしてゆく手法が良かった。