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2010年09月 第405冊
高島俊男  「お言葉ですが・・・2」  文春文庫

高島俊男  「お言葉ですが・・・2」  文春文庫

著者の本を読むのは3冊目。
「本が好き、悪口言うのはもっと好き」「お言葉ですが・・・」を読んで、
本書が3冊目。

週刊文春に連載されてる、「毒舌系」言葉コラム。
前作や前々作では、攻撃がキツすぎて、ちょっと引いちゃうまでの感が
あったのだけど、本書は「週刊文春」で連載し続けていることだけあって、
かなりマイルドな言い回しに変わってきている。

現在、週刊誌と言えば、「週刊文春」は「週刊新潮」。
昔は「週刊現代」も元気だったけど、最近はあまり気に留めない。
そんな「週刊文春」ですから、読者も多いし、掲載文に対する
ご意見ご批判も多いようだ。

各コラムの文末に「あとからひとこと」というコーナーを設置してあって、
読者からのご意見ご質問などの対応が記されている。

仰るとおりです、というご意見もあるが、一般にはそう
思われていることの方が多いでしょうが原書文典に拠りますと・・・
となぜコラムでそう述べたのか解説している事の方が多い。

ほとんどが「う〜ん」と唸らざるをえない文句なしの回答。
初期の頃はこの回答が、してやったりで可愛くなかったのだが、
本書では「あれ?」と思うような柔らかな言い廻しが多く、
著者の余裕さが見えてきている。

中国文学や漢学の研究家だけあって、漢字熟語の使い方を中心とした
コラムであり、新聞や雑誌などの使い間違いを疑問に思うところから始まる。

そんな細かいことどうでもええやん、と思ってしまう人には
本書は鳥肌がたつだけ。どういう意味があるの?
漢字や熟語って深い意味があるのね、とフムフム
と読みたい人が向いている。

私は「全然○○よい」という、全然のあとに肯定表現を
持ってくる文章が好きで多用するのだが、これは間違っていないと
本書で確認できた。

現に、明治期の小説なんかでは良く出てくるし、面白いよねと思ってた。






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