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2004年06月 第20冊
南條範夫 「隠密くずれ 剣鬼放浪」

南條範夫   「隠密くずれ 剣鬼放浪」  光文社文庫

「隠密くずれ」シリーズ第2巻です。
公儀隠密をずらかった幻の三蔵と夢の五介2人組みの珍道中。
本編では2人は西国に足を伸ばし、大阪を振り出しに鳥取、津山、岡山、
福山、岩国、広島、松江、高松といった塩梅で、中国〜四国篇だ。

内容と云ったら陳腐なエンタメですが、軽妙な軽口とご都合主義で統一されており、
南條先生も楽しんで書いておられる。
著者は本格モノも多数書いているが、こういったバカバカしい作品も数多く、
此処ら辺が司馬文学と大いに隔絶している所以。

ですが銀札の供給・換金について取り上げたり、巡見使の不正をテーマにしたりと、
著者が経済学者(国学院大教授)だった片鱗や巡見使ネタに強い一面が垣間見れます。
本書は南條フリークのみの一冊ですので、お薦めはいたしません。






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