2004年07月 第31冊
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浅川純 「社内犯罪講座」 新潮文庫
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著者は、日立で18年勤めた脱サラ小説家。
小説の内容は、古い大会社のどこにでも蔓延(はびこ)っている
忌まわしき常識をネタに、シニカルにミステリー風に仕上げている。
感想としては、自分の醜い面を見せつけられているようで、
いやぁな気分になる作品群だった。
外資系やお気楽な職場で働いている人は、
「ふ〜ん、そんなアホな事があるんだろうなぁ」と楽しめるんでしょうが...。
「明るい職場をつくるために」
「円高不況を乗りきるために」
「発想の転換を図るために」
「役得疑惑を避けるために」
「新入社員を定着させるために」
「ダーティワークをこなすために」
「新事業を開発するために」の計7編からなる短編連作集。
ここで書かれている事柄は、今も多くの会社で罷り通っている事でしょう。
多くの人がこの書を読み、自らの愚かさを改善しよう、
と考えてくれれば幸いですが、まず無駄でしょう。
何故かブック・オフに大量にありました。
スイスイ読めますので、一読されれば私の言いたい事が
お分かりいただけるかと思います。