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2004年11月 第52冊
海音寺潮五郎「柳沢騒動」

海音寺潮五郎  「柳沢騒動」  時代小説文庫

やっぱり海音寺潮五郎は面白い!と、堂々お薦めできる作品。
牧野備後守、犬公方綱吉、柳沢出羽守と中心に述べられる人物は
移り行くが、全編に絡んでくるのが水戸のご老公(光圀)。
著者も「あとがき」で述べているように、「水戸黄門」とした方が良かったかな?

この手の作品には、あと忠臣蔵が大きく絡んでくるのだが、
本作品ではそこまでは至らず終わる。
ほんに元禄は話のネタに事欠かない時代である。
このあとは、新井白石や間部詮房と続き、そして暴れん坊将軍・吉宗。

でも栄枯盛衰、大名の改易・減封もしくは大いなる成り上がり等が起こる、
この時代の方がダイナミックで面白い。

ガキの頃は、歴史モノといえば戦国時代が大好きだったが、
社会人となった今では江戸時代中期が一番しみじみと心にくる。
それは恐らく、現代社会にも相通じる要素が多分に含まれているからであろう。

しかしどの作品を読んでも犬公方の言動には腹が立つ。
結局はあれほど渇望していた自らの血脈は絶えてしまい、ざまぁみろと言いたい。
もっとも親父である三代家光もクダラナイ奴だから構わないが。
ちなみに私の先祖は、豊臣秀長にやっつけられたそうだから、家康様々なんだけどね。






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