2004年11月 第57冊
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南条範夫 「隠密くずれ 悪党狩り」 光文社文庫
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「隠密くずれ」第3巻かつ最終巻です。
わたし、このお話は続き物だと思ってたんですが、
作者南條先生は依頼があるごとに書き散らしていたようです。
3冊に纏めるに当たって、それらしく旅路が続いているように見えるんですが、
初出一覧によれば、てんでバラバラ。
最終巻の本書は信州上田から始まって、
飯田・岡崎・桑名・彦根・徳島・高知・福岡と流れ流れてゆきます。
みなさんの故郷はありましたか?
まぁ、正直に申せば、このくだらない珍道中3巻が読み終わってホっとしてます。
南條範夫大ファンでもこうなのだから、一般人にはお薦めできませんよねぇ。
でも、3冊も読んでると「幻の三蔵」と「夢の五介」が愛おしくなってきます。
もう彼らのお話が読めないんだなぁ、と思うとしんみりしてくる所が
南條先生の偉大なところです。