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2005年06月 第87冊
稲垣史生『お家騒動』

稲垣史生  『お家騒動』  文春文庫

拙者、お家騒動モノに目が無い。
他家のてんやわんやが大好きなのである。

有名な黒田騒動・伊達騒動・加賀騒動なんてもう厭きた。
もっともっと刺激的な、見知らぬ町のドロドロした「お話」が読みたい。

そんな熱い期待を抱いて、本書を読み進めた。

江戸期の有名どころは全て抑え、正義の「お為方」と悪漢の「逆意方」は
見方次第でどうにでも変わる、という事を伝えている。

ようやくマスコミも厭きてきた若貴騒動も、どちらを贔屓にするかたで
見方が変わってくるのと似ている。よっぽどの悪人でないかぎり、
みんなそれぞれ自分が正しいと思った事を進めている。
それが人によっては迷惑な話であり、不謹慎な考えになるだけである。

人間は太古の昔から徒党を組んで争ってきた。
単なる欲望の趣くままに、征服欲のままに推し進めている人もいるのだろうけど、
それが結局はなんになるのか、考えてもらいたいものだ。

本書では総計15家の騒動を解説しているが、江戸三百藩の全てに
何らかの騒動は一度や二度はあったはずだ。

それを上手く揉み消せたか、大事になる前に鎮火させれたかによるだけで、
コンニチに伝承される・されないの世界なのだ。

でも、人様んちの騒動は面白い。
ここらへんが、私の救いようの無い煩悩のなせるわざである。






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