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2005年07月 第95冊
佐木隆三『伊藤博文と安重根』

佐木隆三  『伊藤博文と安重根』  文春文庫

気になっていたノンフィクション作家佐木隆三を読む。
小学生時代に読み始めた三国志や新平家物語などから、戦国時代もの、
昨今の江戸時代モノを読んできて、明治時代以降の歴史を舞台とした書物の
割合が随分少ない事が不満だ。

これには戦争問題や現代の現役政治家のお爺様あたりへの批判告発などへ
連なってくるから、地雷だらけの歴史を描くのが億劫なのだろう。
そんな状況下、この佐木隆三や保坂正康、松本清張などはよく頑張っていると思う。

本書は伊藤博文を暗殺した安重根を中心に、暗殺事件の背景や経緯を詳細に描いている。
少し堅苦しいが、どうして彼が暗殺されたのかが良く分かるようになっている。

学校の教科書では、伊藤博文が明治維新で初代首相に就任した事は
暗記するまでもないほど叩きこまれるが、
彼がどうして暗殺されたのかは触れなかったと思う。

そう考えるにつけ、現在の学校教育は難しいんだな、と寂しくなってしまう。
伊藤がどうして殺されたか関係ないじゃん、なんて思うのは少し乱暴な考えだと思う。






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