2006年07月 第191冊
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中嶋繁雄 『明治の事件史』 青春文庫
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わたくし、中島繁雄氏の本を結構読んでると思う。
そういう人って、残念ながらあまりいないと思うので、
我ながらチョッと自慢。
この人は華族関係や明治以降モノに強いんですが、
今回も私の大好きな明治モノ。
暗殺・反乱・陰謀・男と女・超能力・・・話題をさらった
明治の驚くべき42の謎と事件、とある。
だけど最初の方は、「五稜郭」とか「萩の乱」とか、
明治維新ものが好きな人には、いつもの話・・・。
本書は後半が面白い。
明治後期からだ。
相場師「新宿将軍」、黒田画伯の裸体画事件、
華厳の滝投身自殺、殺人鬼・時三郎の犯罪、霊視・千里眼婦人...。
歴史の教科書や、明治を題材にした小説に出てくることは、
どこかで読んでいる。それだけに明治の社会面、三面記事が面白い。
今も昔も所詮は人間、結構似たようなあやまちを我々は犯している。
青春文庫を取り扱っている書店を探すのが、ひと苦労かもしれない。