2006年07月 第192冊
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川端康成 『雪国』 新潮文庫
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ときどき、名作と云われている作品も読みたくなってしまう。
年に数回の発作だが、読んで、大概は「どこが名作なの?」と頭をひねる。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
と、あまりに有名な書き出しで始まる本書ですが、私のイメージはこうでした。
一、雪国を舞台にした、美しいラブロマンス。
一、雪国を舞台とした、厳しい自然の中にも真実を見つけ出そうとする主人公たち。
一、雪国のような、白い世界を髣髴とさせるピュアな物語。
でも、昔の作品って、題名ほどは美しい作品って少ないんだよね。
伊豆の踊り子だって、金持ちのボンボンが踊り子を下の目線でモノ見てるし。
高等遊民っていうヤツ、なんだかクダラナイ嫌なヤツに偉そうに
云々されてる話が多い。(私だって、クダラナイくせに、偉そうに書いてます!)
さて、もうこういった流れだと、私の本書への感想もお解かりでしょう。
なんでだかこれが日本の名作だとされてるんですよねぇ。
いいのか?これが名作で?
ちなみに意外だったのは、クライマックスで火事の場面が出てくること。
真っ白な雪の世界に、真赤な火事。
赤い世界が出てくるとは、なんか意外でした。
ヒロイン駒子が「この子、気がちがうわ。気がちがうわ。」と叫ぶラスト。
ようやく話が面白くなってきたのに...!
でも、ここで終わる。
なんだかなぁ...。