2008年01月 第253冊
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坂井榮八郎 「ドイツ史10講」 岩波新書
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わたくし、ドイツ史専攻学生ではありません。
ただ単に歴史が好きなだけです。
本書は新赤版で、2003年2月発行された新しいもの。
ドイツ史を10講に亘り解説、講師(著者)は元東大教授、
当時聖心女子大教授。
コンパクトに(とは言っても学問的にはボリュウムたっぷり)10講に
分けられていて、大学教養課程でもテキストで利用されているんじゃないでしょうか。
わたしは高校時代、何を勘違いしたのか理系コースを選択してしまい、
社会は日本史一本しか勉強しなかった。
その代わり、物理・化学・微分積分・確率統計と、文系転向した大学生が
勉強して無いようなことまでいやいや勉強してますんで、変り種なんですがね。
日本史一本ということは、世界史を勉強していない、とも言えます。
これが引け目でしてねぇ、歴史が大好きでセンター試験では
軽く満点を取ったこの私が、世界史にイロハも識らない。
悔しい〜!
そんな劣等感と純粋に歴史好きが絡み合って、最近世界史モノを
読んでおります。
まずはイタリア史かな、と考えてたんですが、ドイツの方が断然
好きなんで本書をチョイス。
さすがは元東大教授だけあって、小難しい文章ですが、新書にドイツ全体を
纏めなきゃイケないから、坂井教授は拘泥したところも渋々撤退せざるを得ない
苦衷な感じが出ている。
なかなか良いなと感じたのは、ヒットラー登場のナチス時代以降
冷戦東西ドイツまでもしっかり語られている事。
神聖ドイツ帝国よりも第二帝国よりも、第三帝国・東西分裂時代の方が
興味ありますもんね。
ヒトラーも多面的に考察されてるし、東西冷戦期は著者自身
留学していた経験もあり、文筆奮ってます。