2008年05月 第273冊
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南條範夫 「江戸御用帳」 双葉文庫
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南條範夫は私の趣味です。
この一冊が良かったからとか、お薦めしたいからといった訳ではなく。
ただ、南條範夫全作品読破を目指して、紹介しているに過ぎません。
今回は平にご容赦ください。
さて、内容はというと、語るに及びません。
副題「岡っ引き源蔵捕物譚」とあるように、源蔵親分に様々な難事件が
持ち込まれ、最後は解決するというヤッツケ仕事。
南條もこんな仕事もしていたのかと、少し悲しい。
全7編の短篇集で、何がイケないかって言うと、出だしは面白い難事件だし
中盤も混迷を深めるのに、終盤の解決が早すぎ。
バタバタっと解決しちまって、今までの進行速度とあまりに落差が大きい。
ペース配分が変で、各編あと5ページでも余地があれば、
こんな事にならないだろうに。
こんな駄作集でも南條範夫著ってだけで、文庫本にまでなってしまう
寂しさを感じてしまう一冊であった。