2009年09月 第346冊
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椎名軽穂 「君に届け」第9巻 集英社マーガレットコミックス
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出るぞ出るぞと言われて早一年、やっと出ました第9巻。
著者の妊娠出産休暇という御目出度い慶事もあったのですが、
物語は佳境を迎えていただけにヤキモキした一年でした。
でも、多分もう大丈夫。
別冊マーガレット09年10月号より通常連載も復活され、
これからは毎月、爽子と風早君の進展が読めるわけです。
いやぁ、本当に毎月13日が楽しみ。
今回は大舞台ともなりそうな「第10巻」に向けて、いよいよ結ばれるのか!?
といったハラハラドキドキのしっぱなしの巻。
ネタバレになるけど、勢い余って風早は爽子に告白します。
ですが、それまでの流れと伏線を張り巡らしておいたお蔭で、
爽子は誤解とも勘違いともつかない受け止め方をする。
普通ならちょっと無理な気がしないでもない流れですが、それまでの流れ
と伏線が実に細やかに描かれていて、この巻は本書最高の見せ場となっています。
爽子のリアクションに風早も勘違いして、勘違いと誤解がこんがらがって。
でも、今回は違う。
そんなもつれた行き違いを、爽子は勇気を出して解いてゆこうとする。
ようやく二人は歩み寄って、お互いを見つめ合って、結びつこうとしてゆく。
いい話です。
先が読めてるのに、純愛少女漫画ここにあり!すっごい面白い。
是非ぜひ、次巻で二人が結ばれたとしても、一気に収束してゆかないで、
サブストーリーや新展開を用意して欲しい。
全十八巻くらいの遠大な流れで書き続けて欲しい。
本書表紙は真正面の風早君と横顔からの爽子。
どう見ても風早の方が格好良く、爽子は唇も厚くさしてかわいくない。
単行本の表紙はどれも雑なカットのような気がしてならない。
別マ最新号(09年10月)なんてかわいくて美しいカットなだけに、
不思議でならん。
ちなみにアニメ化もいよいよ来月(09年10月すたーと)。
少女漫画の繊細なタッチとアニメ画は水と油ですが、
どうぞ「オトメン」みたいにならないように祈るばかり。