2009年10月 第351冊
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原ォ 「そして夜は甦る」 ハヤカワ文庫
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言わずと知れた、日本ハードボイルドのバイブルみたいな一冊。
チャンドラーに捧げられただけあって、外国映画の字幕を
観ているかのような会話。
ウィットに富みつつ遠まわしだったり、逆説的だったり、キザだったり。
頭の回転が早い、読書を愉しんでいるヒト向け。
わたしは、ダメだった。
今から二十年以上も前に書かれたので、ミステリ・サスペンスの雰囲気が、
どうも古臭い。雑居ビルの一室に事務所を構える私立探偵。
行方不明者を捜索して欲しいという依頼人は、東京の大私鉄グループの
経営者一族。
事件は事件を呼び、いつしか行方不明者は先日起こっていた
都知事選狙撃事件と結びついてゆく。
今の今じゃ、全く流行らないオーソドックスな私立探偵ハードボイルド。
でも、ミステリを少しづつ読んでいる者として、
やっぱり原の沢崎シリーズは読んでおきたかった。
ちなみにこのシリーズ、現在何冊まで出ているか知りませんが、
第4冊まで買ってしまっている。
名作と謳われている本書ですが、約四百ページを読むのが実に辛かった。
話が複雑で、こんがらがった事件を紐解いてゆくのが又ややこしく、
三十分で三十ページくらいしか読み進められない。
読んでると疲れちゃうしね。
終盤は当然意外や意外な展開が続くんですが、さして共感や興味を引いた
ドラマでもなかったんで、ああ、さいですか・・・と思うばかり。
このシリーズ、買っちゃったからには、今後も読み続けなきゃいけないのかな。