2010年07月 第387冊
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唐沢俊一+清水一夫 「トンデモ創世記」 扶桑社文庫
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本書は1999年出版「トンデモ創世記2000」加筆修正、
第3章「21世紀はオタクの時代か」を加えたもの。
盗作疑惑ですっかりメディアから姿を消した唐沢俊一と、
UFOやオカルトやアニメに強い清水一夫の対談だけ読ませる一冊。
トンデモ本についての草莽期を対談しているというより、
両者のオタク青春時代から今に至るまでの動きを懐かしみながら、
自慢話に花を咲かしている。
「トンデモ本」裏話だけを読みたい人には不向き。
私もオタクですが、今40〜50歳過ぎのオタクさんにとっては、
懐かしく符号が合ったりして楽しめるのでは?
一人一人はバラバラに自らの進むオタク活動をしている、とする。
中高生時代は、たった一人でアニメを観たり、珍本を探したり。
それが大学サークルやサブカル書店なんかで同類や近い仲間を見つけ、
少しづつオタク集団がいつしかサブカル集団に形成されていった過程が
二人の対談(思い出話)からよくわかる。
宇宙戦艦ヤマトでアニメに火がつき、時代はアニメ全盛に突入した。
UFOとかオカルトも人気が出、本書の二人はそういった世界に
どっぷり浸かりながら人生を歩んできたわけだ。
楽しい人生だったろうな。
唐沢氏は現在とやかく言われた挙句、メディアからも消えているし、
ブックオフにも同氏の古本は昔より見かけなくなった。
ただ、こういった人が消えそうになっているのは、少し残念だ。