クラウドサービスとは?
2012年03月 第501冊
鈴木淳史「萌えるクラシック」洋泉社新書
鈴木淳史  「萌えるクラシック」  洋泉社新書

言ってることはなかなか良いのだが、文章がイヤ。
著者が36歳の時、初版されており、若書きと言えるかな。

吉田秀和みたいな文は望むべくもないが、
崩しすぎた文章は、好き嫌いが分かれるだろう。
そんな訳で、著者の本はもう買わないだろうが、
彼のオシメンには、そこそこ関心を持った。

クラシック・ファンは、えてして若き頃、
何に熱中したかによって、その一生を左右している。

私はマーラーとショスタコーヴィチに嵌った青春を送ったゆえか、
その後何度も中世やバロックに挑戦したが、結局19〜20世紀の音楽を
今も愛好している。

著者はどうかと言うと、指揮者はアーノンクール、
音楽は現代音楽を好んだ青春を送ったようだ。

もちろんそればっかりでは無いだろうが、
青春時代に形成された根幹は、一生涯にわたって
その人の基礎となる。

私の大好きな指揮者ギーレンにも深い造詣があり、
距離を置いた鑑賞とはいえ、現代音楽バリバリ時代の
ギーレンを聴き込んでおり、一家言を持っている。

2006年に初版された本なので、2009年録音の
ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」の猛打ティンパニなどは
聴いていないのだろうが、円熟味が増し始めたギーレンの特徴を
掬い取っている。

他には以下のような音楽家を採り上げている。
エマール、ツェンダー、パレー、ロスバウト、サバール、
シュタイアー、カルミナSQ、クーレンカンプ、クレーメル、
ヴィス、ハーディング、ロバートソン、ツァグロゼク、
ファイ、シュトルツェ、ヴェデルニコフ、ブール、チェリビダッケ。






inserted by FC2 system