2012年09月 第543冊
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今柊二 「定食バンザイ!」 ちくま文庫
2005年初版のちくま文庫なんですが、
数年前なら古本屋でよく見かけたが、
最近ほとんど見つけられない。
ちくま文庫は良書を多く出しているが、
すぐ品切れ絶版してしまうようで、
見つけ次第買っておくべき文庫でしょう。
著者の「がんがん焼肉もりもりホルモン」(ちくま文庫)も
昔は見かけたんですが、今は見かけません。
テレビで紹介される話題の飲食店は、
どうも宣伝&裏取引の臭いがするんですが、
本書で採り上げる名もなき定食屋は誰に頼まれたからでもなく、
自ら紹介したいから紹介してます、
そんな縛られない自由で気楽な一冊です。
著者は田舎から横浜国大に進学されたため、
神奈川県と古書街神保町(著者が古本好き)を
中心に定食の旨さを語ってゆきます。
定食と云えば早稲田から馬場界隈も外せないし、
ヨコハマの洋食、最後は大きく1章を割いて
中華についてもアツク語っています。
東海林さだおのように文章が上手すぎるとまでは
言えませんが、具体的な着眼点がよく、
ずるずる次ページをめくってしまう。